写真1 駒ヶ岳
中央アルプス木曽駒ヶ岳。
同じ地に住んで同じ山を見ていても、場所によって見え方が違う。
多分みんなそれぞれに好きな山の角度があると思うんです。
今回は私の好きな角度から写真を撮ってきました。



私の生まれは神奈川県横浜市です。
小学校高学年に差しかかるまで住んでいたその場所は、当時水田や畑も多くあり、長野県の伊那谷出身の両親が住みやすい街として選んだ場所だったように思います。

私が幼少の頃、母はよく自分が子供だった頃の話をしてくれました。
母は山の中に住んでいたので(本当に!)、毎日自由に自然の中で遊んで楽しかったことや、今の時代よりお菓子やアイスがどんなに特別で嬉しいものだったかを懐かしんで話してくれたのが印象的でした。

そして私もそんな田舎暮らしに憧れ、近くの竹藪で秘密基地を作ったり、泥水の中で遊んだり。
母が教えてくれた遊びに近いことをして楽しんでいましたが、それでも自分は横浜の地で大人になり、当たり前に都会で働くんだろうと子供ながらに思っていました。

がしかし、ある時両親が伊那谷にUターンを決意!
それから二十数年がたちました。
憧れだった信州での暮らしも、今ではすっかり板につき骨を埋める覚悟で暮らしています。

でもふと横浜の風を懐かしく想う日もあったりして。多分それは、"都会"とか"自然"とか"そこに親がいるか"とか関係なく、純粋に"故郷"という土地が、自分にとって特別な場所なんだと感じます。

写真2 幼少期
近所の「ナカミチ」と呼ばれていたこの細い道でよく遊んでいたっけ。
いつも車が縦列駐車で沢山停まっていたけど、昼間は車の動きがなかったので子どもたちが自由に遊べていました。
道の両脇には畑が広がっていて、ザリガニ狩りをしたことも。
 


"故郷"を想うと、最近では自分の故郷より子どもたちの"故郷"のことを考えるようになりました。

この家が、この地が、子どもたちの"故郷"として思い出になる日がくる。
最近本で見かけた『子育ては終わる日がくる』という言葉に胸がしびれたりして。
(って、いやいやまだ早い!始まったばかりです、子育て。日々格闘しています、子育て。(笑)でも終わる日が来ると思うとなんだか1日1日が尊くなります。)

写真3 ストライダー
出産御祝で頂いたストライダー。
ようやく乗る練習を始めました。



劇団サムライナッツを立ち上げたとき、「この地でお芝居をやる選択肢を作る!」という意気込みがありました。

高校を卒業して人生の岐路に立つ若者が、東京へ行ってお芝居をする!と選択するように、地元(故郷)でお芝居をする!という選択が出来るように。
UターンやIターンでこの地にいる人達がお芝居をする場所を作りたいんだと。

そして今春、3人高校生劇団員から社会人劇団員に昇格しました。
撒いた種からようやく芽が出てきたような気持ちでとても嬉しく思っています。
これからもこの地でお芝居をしたい!と意気込む仲間が増えていきますように。

写真4 集合写真
『お芝居をしながらTVにも出て、お金持ちになりたい!』って夢なら都会に拠点を移して≪売れる≫事に貪欲になることは価値があるのかもしれない。
でも「お芝居をして生きていきたい」ならどこにいたってできる。
その中でもただやるだけじゃない、"この地で"、"プライドを持って"、"妥協しない"、お芝居を創り続けるエネルギーがある劇団でありたいと思っています。


【プロフィール】
 松崎ひとみ

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劇団サムライナッツ・制作
劇団サムライナッツ/http://samurainuts.wixsite.com/samurainuts



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